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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E8%AA%9E

イタリア語(略称は伊語、イタ語など)はインド・ヨーロッパ語族イタリック語派に属する言語の一つで、おおよそ6千万人ほどが日常的に使用しており、そのほとんどがイタリアに住んでいる。基本語順はSVO。

概説

標準イタリア語はトスカーナ地方とイタリア南部の中間をベースにしてイタリア王国成立時に作られた一種の人工言語である。ラテン語から進化したイタリア各部に残る言葉(方言)とはそれぞれ違いがある。イタリアでは日常会話はその地方の言葉(方言やドイツ語、フランス語など)であるため、標準イタリア語を母語とする人は少数である。外国人が学習するイタリア語は標準イタリア語であるが、イタリア人の発音は出身地などにより異なる点があり、誤りではないが一応注意が必要である。 イタリア語にはラテン語と同様の二重子音があるが、他のロマンス語であるフランス語スペイン語のそれとは異なっている。この違いから、他のロマンス語と比べて特有のアクセントがある。

イタリア語はイタリア、サンマリノ共和国公用語として定められている。スイスではティチーノ州全域とグラウビュンデン州(グリジョー二州、Grigioni)の一部がイタリア語圏でありスイス全体としても公用語になっている。また、スロベニアイストリアクロアチアには少数のイタリア語を話す人々がいる。バチカン市国では、公用語であるラテン語の他に、イタリア語が一般の業務用語として使用される。

トスカーナ語は他のイタリア諸方の言葉に比べて外国語の影響が少なくラテン語の直系の子孫と考えられるため、標準のイタリア語として採用しようという声もある。

 

歴史

イタリア語と言う名前はイタリア共和国が成立して標準イタリア語が確立した19世紀までは俗ラテン語と呼ばれる言語のうちイタリア半島で 話されていた諸言語の総称として使われていた。 俗ラテン語からイタリア語への変化は少しづつであったのでいつからいつまでの言葉がイタリア語とは分けることはできない。また、文語すなわち記録のための 言葉はラテン語であった時代のため、どのような言葉が話されていたかは文書にはほとんど残っていない。

  • 960年 - 『カプアの判決文』の中でイタリア語(現地方言)での証言を記録。
  • 1304年頃 - ダンテ、『俗語論』で俗語(イタリア語)について記述。
  • 1321年 - ダンテによる『神曲』がイタリア語(フィレンツェ方言)で書かれる。
  • 1470年 - ペトラルカの『カンツォニエーレ』が出版される。
  • 16世紀前半 - ピエトロ・ベンボが14世紀のフィレンツェ方言を、イタリア語の文語とするように主張。
  • 1583年 - トスカーナ大公国のフィレンツェに言語研究のためのクルスカ学会が設立される。
  • 1612年 - イタリア語の国語辞典(Vocabolario)がクルスカ学会により出版される。

19世紀になり、イタリア統一の動きが見えると、イタリア語は民族を統一する原動力の一つとなった。イタリア語を地域を全てイタリアとして統一しようという目標が叫ばれた。

イタリア統一後もイタリアでの方言話者は、標準イタリア語を話すことができず他の方言話者と意思疎通が出来ない状態であったが、二度の世界大戦で軍 での標準語の教育と強制などを経て、戦後の教育とメディアの拡大のおかげで現在のイタリア国内でイタリア語を話せないものはほとんど居ない。

音韻対応

ラテン語で「子音 + l + 母音」であった綴りは、イタリア語では li に変化しているものが多い。その際、l の前の子音が c, g であった場合、それに h が挿入され、/k/, /g/に保たれることが多い。接頭辞 re- が ri- になっているものが見られる。閉鎖音 + s, または異なる閉鎖音が連続する場合は後ろの音に同化する(actum→atto など)。

文字

アルファベート(alfabeto)と呼ばれるラテン文字アルファベットの26文字を使用する。このうち、母音字のAEIOUにはアクセント符号を使用するが、言語的に同じ文字として扱う。

KJXYは人名や地名、方言、外来語で使用する。Wは古来の文字ではないので英語ドイツ語からなどの外来語で使用する。このため通常使用文字は21文字ともいえる。

読み方は一文字だけ強調する場合はAを「アー」の様に伸ばすことも多い。イタリア語で良くつかう文字は非常に規則的な読み方で、X以外のあまり使われない文字の方は長く、読みも一つに確定していない。

電話などでの綴り伝達法ではイタリアの都市の名を使い「アンコーナのA」の様に使用するが、Hは1文字目がHの都市名が無いため外来語のhotelを使用している。K、J、Yは外来語の一般名詞で、W、Xは固有名詞を使う。

辞書での単語の順は26文字を表の順(英語と同じ)に並べ、母音字のアクセントも順には影響しない。

文章では小文字を主体に記述する場合、大文字は文の先頭や固有名詞の先頭の1文字に使用する。代名詞などの敬称の先頭文字も大文字とする。 文全体を大文字で記述することもあり、碑文、見出し、本の題名、漫画のふきだし、手紙、落書きなどが多く見られる。

最近の文字の使用方法では、携帯電話のメッセージや電子メールなどで文字数を少なくする用途で、「X」を「per」(掛け算の記号から)、「6」を「sei」などと読ませた文章を作成することもある。イタリア語では通常「k」を使用しないが「ch」を「k」と置き換えることもある。よって「perche」が「xke」となる。

大文字 小文字 イタリア語での読み 近いカタカナ読み 電話での綴り伝達(意味)
A a a Ancona(アンコーナ)
B b bi Bologna(ボローニャ)
C c ci Como(コモ)
D d di ディ Domodossola(ドモドッソラ)
E e e Empoli(エンポリ)
F f effe エッフェ Firenze(フィレンツェ)
G g gi Genova(ジェノヴァ)
H h acca アッカ hotel(ホテル)
I i i Imola(イーモラ)
J j i lunga
ilungo
iota(希)
イ・ルンガ
イ・ルンゴ
ヨータ(希)
jersey(ジャージ)
K k kappa、cappa
ca
カッパ
kursaal(ホテルの広間)
L l elle エッレ Livorno(リヴォルノ)
M m emme エンメ Milano(ミラノ)
N n enne エンネ Napoli(ナポリ)
O o o Otranto(オトラント)
P p pi Padova(パドヴァ)
Q q qu、cu Quarto(クアルト)
R r erre エッレ Roma(ローマ)
S s esse エッセ Savona(サヴォーナ)
T t ti ティ Taranto(ターラント)
U u u Udine(ウーディネ)
V v vu
vi(希)

ヴィ(希)
Venezia(ヴェネツィア)
W w vu doppio
vu doppia
doppio vu
doppia vu
ヴ・ドッピョ
ヴ・ドッピャ
ドッピョ・ヴ
ドッピャ・ヴ
Washington(ワシントン)
X x ics イクス xeres(白ワインの一種)
Y y ipsilon、ypsilon イプシロン yacht(ヨット)
Z z zeta ゼータ Zara(ザーラ)


方言

イタリアは南北に長細い地形で、西ローマ帝国の崩壊からイタリア統一まで分裂が続いたため、それぞれの国で使われていた言語が、それぞれ俗ラテン語と 呼ばれるラテン語の後継言語となり、それぞれの地域で発展した言葉で、方言と言われるがトスカーナ方言を元に作られた標準イタリア語とは姉妹言語の関係に なっている。政治的理由からイタリア語の方言とされているが、もし現在もイタリア統一がなされていなければ別の言語として認識されていた可能性が高い。

イタリア国内でも、ラディン語フリウリ語は、ロマンス語の別の語派として認識されている。サルデーニャ語も別の言語とする学者が多い。サルデーニャ島の北、フランス領のコルシカ島で使われるコルシカ語は、トスカーナ方言とサルデーニャ方言に近くイタリア語の方言とされている。

全体的に見ると、北西部ではフランス語の影響、北東部ではドイツ語の影響、南部ではスペイン語ギリシア語、シチリア島ではアラビア語の影響が強くみられる。これらは中世から近世にイタリアを占領していた国々の影響である(例:北部は神聖ローマ帝国からオーストリア帝国、南部は東ローマ帝国)。 例えば両シチリア王国の公用語であったナポリ語を例に取ると、語彙や文法にスペイン語の影響が見られ、綴りに対する読み方も違うなど、標準語話者(これには現地の若者も含まれる)には理解困難または理解不能となっている。

イタリアはそれぞれ固有の歴史を持つ州に別れているため、方言もほぼそれをなぞった形になっている。また、ラテン語以前に各地域で話されていたケルト語エトルリア語オスク語ギリシア語などの言語の特徴が、地方ごとに俗ラテン語時代を通じて現在に残っている。

 

発音と綴り

イタリア語の音節は、0個以上の子音母音の組み合わせからなる。発音に対する綴りは、子音と母音が一対一の場合は日本語ローマ字綴りに近い。また以下に示すように発音が規則的であるため、同じ綴りで発音が違うと言った単語が非常に少ない。

母音

  • 母音はa、e、i、o、uで表わす。eとoに2種類の発音があるので7種類になる。
  • eには[e]と[?], /E/がある。語尾にアクセントが来た時、[e]はe、[?]はeで記述する。
  • oには[o]と[?], /O/がある。語尾にアクセントが来た時、[o]はo、[?]はoで記述する。
  • eとoの各2種類の発音は、意味の違いを表わすが文脈などで区別できる場合が多く対立は弱い。

子音

  • 子音字はb, c, d, f, g, i, l, m, n, p, q, r, s, t, v, z を使用。
  • cはa、o、uと使用された時は子音[k]を表わす。e、iとともに使用された時は子音[t?], /tS/を表わす。ce(チェ)、ci(チ)。
  • chはe、iと共に使用され、一つの子音[k]を表わす。che(ケ)、chi(キ)。
  • gはa、o、uと使用された時は子音[g]を表わす。e、iと使用された時は子音[d?], /dZ/を表わす。ge(ヂェ)、gi(ヂ)。
  • ghはe、iと共に使用され、一つの子音[g]を表わす。ghe(ゲ)、ghi(ギ)。
  • gnは鼻音[?], /J/を表わす。例えばgnaは「ンニャ」に近い。
  • h+母音は母音のみの音と同じ。
  • i+母音となった時のiはアクセントでない場合、子音[j]を表わす事が多い。
  • 単独のgliは[?i], /Li/、母音+gliは[??i], /LLi/の音となる。ただし[gli]と読む単語もある。また、gli+母音の場合は"gli"3文字で1つの子音を表す。"luglio"は「ルッリョ」。
  • qは常にuと共に使用され、qu[kw](ク)となる。
  • sは有声音[z]と無声音[s]のどちらも表わす。次に来る子音が有声音の場合(sl-, sb-など)は有声で、次の子音が無声音の場合は無声音になる。語頭や母音に挟まれた場合は単語により決まる。casa(家)や地名Pisaのようにピサでもピザでも構わないと言う物も多い。また、発音の違いで意味の違いはない。
  • scはa、u、oと共に用いた時は二重子音[sk]だが、e、iと共に使用された時は別の一つの子音[?], /S/を表わす。sce(シェ)、sci(シ)。語中では長めに発音される。
  • zは有声音[dz]と無声音[ts]のどちらも表わす。規則性はなく単語により決まる。どちらでも構わないと言う単語もある。無声の場合z一個でも促音になりやすい。
  • 半母音拗音はiとuを母音の前に使用して表記。
  • 子音字を2つ連続させて促音を表わすが、rrは巻き舌が強くなる。qqと重なる単語はsoqquadro(混乱)以外わずかにしかなく、代わりにcqが使われる。
  • 二重子音など子音が複数個重なることがある。fra, quattroなど。

以下は子音+母音の代表的な物と、日本語の発音(カタカナ)と発音記号(括弧内)との対応表である。
日本語での発音は近い物を選んでいる。eとoの違いは割愛した。

子音↓/母音→ a e i o u
- ア [a] エ [e] イ [i] オ [o] ウ [u]
b バ [ba] ベ [be] ビ [bi] ボ [bo] ブ [bu]
c カ [ka] チェ [t?e] チ [t?i] コ [ko] ク [ku]
ch - ケ [ke] キ [ki] - -
ci チャ [t?a] - - チョ [t?o] チュ [t?u]
d ダ [da] デ [de] ディ [di] ド [do] ドゥ [du]
f ファ [fa] フェ [fe] フィ [fi] フォ [fo] フ [fu]
g ガ [ga] ジェ [d?e] ジ [d?i] ゴ [go] グ [gu]
gi ジャ [d?a] - - ジョ [d?o] ジュ [d?u]
gl グラ [gla] グレ [gle] リ [?i]/グリ [gli] グロ [glo] グル [glu]
gn ニャ [?a] ニェ [?e] ニィ [?i] ニョ [?o] ニュ [?u]
h ア [a] - - オ [o] -
i イア [ia]/ヤ [ja] イエ [ie]/イェ [je] - イオ[io]/ヨ [jo] イウ [iu]/ユ [ju]
l ラ [la] レ [le] リ [li] ロ [lo] ル [lu]
m マ [ma] メ [me] ミ [mi] モ [mo] ム [mu]
n ナ [na] ネ [ne] ニ [ni] ノ [no] ヌ [nu]
p パ [pa] ペ [pe] ピ [pi] ポ [po] プ [pu]
q クワ [kwa] クェ [kwe] クィ [kwi] クォ [kwo] -
r ラ [ra] レ [re] リ [ri] ロ [ro] ル [ru]
s サ [sa]/ザ [za] セ [se]/ゼ [ze] シ [si]/ジ [zi] ソ [so]/ゾ [zo] ス [su]/ズ [zu]
sc スカ [ska] シェ [?e] シ [?i] スコ [sko] スク [sku]
sci シャ [?a] - - ショ [?o] シュ [?u]
t タ [ta] テ [te] ティ [ti] ト [to] トゥ [tu]
u ワ [wa]/ウア [ua] ウェ [we]/ウエ [ue] ウィ [wi]/ウイ [ui] ウォ [wo]/ウオ [uo] -
v ヴァ [va] ヴェ [ve] ヴィ [vi] ヴォ [vo] ヴ [vu]
z ツァ [tza]/ヅァ [dza] ツェ [tze]/ヅェ [dze] ツィ [tzi]/ヅィ [dzi] ツォ [tzo]/ヅォ [dzo] ツ [tzu]/ヅ [dzu]

アクセント

イタリア語のアクセントは強弱アクセントである。

  • アクセント(強勢)は単語の後ろから2番目の母音(parossitono)にあることが多い。Dio, io はiがアクセントである。
  • 後ろから2番目の母音字のiが拗音になっている場合は、2番目の母音は3番目の母音字のaになる。Italia, dizionario, salumaioなど。
  • アクセントが語尾に有る場合はアクセント記号を付ける。citta, caffeなど。英語の-(i)tyに当たる接尾辞は-(i)taとなる。
  • 動詞の変化形の三人称複数では後ろから3番目がアクセントになる。amano, possonoなど。
  • アクセントが後ろから3番目(sdrucciola)に来るものも多く、camera, facile, difficile, edicola, tavolaなどがある。人名、都市名ではこの例外が多い。Cesareは初めのe, Napoliはa, Genovaはe。
  • -blie、-mereなど語尾の前にアクセントがつくパターンがある。
  • イタリア語には弁別的な長母音は無いが、アクセントのある母音で次が子音一つの時は長音で発音されることが多いので、カタカナ表記で長音記号「ー」を入れることがある。例. carnevale カルネヴァーレ(謝肉祭)
  • イタリア人はアクセント無しで発音できないため、「中田」はアクセントの位置で「ナーカタ」、「ナカータ」、「ナカター」のいずれかになってしまう。この中から選ぶなら最後の「ナカター」が一番マシであろう。
  • 例外的ではあるが、書籍などで日本人作家の名前に長音があるとラテン語の長音記号で表現することがある。この記号は小学校で習うローマ字の記号と同様である。

文法

名詞

イタリア語の名詞(nome)には男女二つの文法上の性が存在し、単数と複数の区別をもつ。ラテン語にあった格はない。名詞に付く形容詞や冠詞、意 味上のつながりがある形容詞はその性と数に従う。文法上形容詞の性質をもつ動詞の現在分詞や過去分詞も同様に性・数変化をする。このように文法上の性は文 構築上の性質であり、実世界の性とは異なるものである。比較的多くの名詞が、 -o で終わる男性名詞、 -a で終わる女性名詞、 -e で終わる男性名詞と女性名詞という特徴づけに収まる。

には男性と女性がある。中性名詞はなく、ラテン語で中性名詞だったものの多くは男性名詞となっている。

  • aで終わる男性名詞がある。-maで終わるものは、多くギリシア語の中性名詞に由来し、男性であることが多い(例:sistema 制度、系)。
  • mano(手)は女性名詞。複数形はmani。
  • 外来語では、男性名詞になるものや元の言語の形のまま性を引き継ぐものがある。
  • 略語は、元の名詞の性を引き継ぐ。たとえばmoto(オートバイ)は元がmotociclettaで女性名詞であるのでそれを引き継ぐ。

は単数と複数がある。基本的に語尾の母音が変化して複数形になる。単・複同形のもの、複数の概念が無いものなど例外もある。

一般的な変化は以下の通り。

男性名詞 女性名詞
単数 複数 単数 複数
-o -i -a -e
-e -i -e -i
-a -i
  • 語尾にアクセントがある名詞の複数形は単数形と同じである。
  • -a で終わる男性名詞は少数である。

不規則な変化をする例外としては以下のようなものがある。

  • uovo(卵)は男性名詞。複数形はuovaで女性名詞に変わる。

代名詞

人称代名詞

イタリア語の人称代名詞 (pronome personale) は名詞同様に性と単数と複数の違いがあるが、性によって語形が異なるのは三人称のみとなる。二人称に関しては丁寧な表現としての敬称が存在する。所有を表すには所有形容詞が用いられる。

主語人称代名詞

主語人称代名詞(pronome personale in funzione di soggetto)は以下の表の通り。

単数 複数
1人称 io - 私は noi - 私たちは
2人称 tu - あなたは、君は
lei (Lei) - あなたは 丁寧な表現 (敬称)
voi - あなたたちは、君たちは
loro (Loro) - あなたたちは 丁寧な表現
3人称
男性名詞
lui - 彼は
egli - 彼は(文章のみ)
esso - それは(文章のみ)
loro - 彼らは
essi - 彼らは、それらは(文章のみ)
3人称
女性名詞
lei - 彼女は
ella - 彼女は(文章のみ)
essa - それは(文章のみ)
loro - 彼女らは
esse - 彼女らは、それらは(文章のみ)
  • イタリア語では、ほとんどの動詞は語尾から人称と数がわかるので、特に必要が無い場合は主語は省略される場合が多い。また、省略により意味に違いは生じない。
  • 敬称のleiloro は動詞の活用に関しては3人称の扱いになる。
  • 男女が混じる複数は男性複数になる。
  • 物や動物をさすessoessaessiesseは会話では使われず、代名詞としてはquesto(これは)やquello(あれは)が用いられるのが普通である。
  • 歴史的には二人称の敬称としてvoiが使われた。

補語人称代名詞

補語人称代名詞(pronome personale in funzione di complemento)には、直接補語人称代名詞と間接補語人称代名詞がある。三人称には再帰補語代名詞 si があり、単複同形である。

直接補語人称代名詞 間接補語人称代名詞
強勢形 非強勢形 非強勢形
単数 1人称 me - 私を mi - 私を mi - 私に
2人称 親称 te - 君を ti - 君を ti - 君に
敬称 lei (Lei) - あなたを la (La) - あなたを le (Le) - あなたに
3人称 lui - 彼を lo - 彼を gli - 彼に
男性名詞 - lo - それを gli - それに
彼女 lei - 彼女を la - 彼女を le - 彼女に
女性名詞 - la - それを le - それに
再帰形 se - 自分を si - 自分を si - 自分に
複数 1人称 noi - 私達を ci - 私達を ci - 私達に
2人称 親称 voi - 君達を vi - 君達を vi - 君達に
敬称 loro (Loro) - あなた達を li - あなた達を(男性)
le - あなた達を(女性のみ)
-
3人称 彼等(男性を含んだ集団) loro - 彼等を li - 彼等を gli - 彼等に
男性名詞 - la - それらを gli - それらに
彼女達(女性のみの集団) loro - 彼女達を le - 彼女達を gli - 彼女達に
女性名詞 - le - それらを gli - それらに
再帰形 se - 自分達を si - 自分達を si - 自分達に


所有代名詞

所有代名詞(pronome possessivo)は、誰のものかを示す代名詞である。対象の性・数によって語形変化するが、所有者の性には影響されない。

所有される物
単数 複数
男性 女性 男性 女性
所有者 単数 1人称 mio mia miei mie
2人称 tuo tua tuoi tue
3人称 suo sua suoi sue
複数 1人称 nostro nostra nostri nostre
2人称 vostro vostra vostri vostre
3人称 loro loro loro loro

動詞

イタリア語の動詞 (verbo) は不定法直説法条件法接続法命令法の5つの法をもち、うち不定法と命令法を除く3つの法は、能動態受動態をもち、人称と数と時制に従って活用変化する。

不定法の語尾で活用を分けると -are動詞-ere動詞-ire動詞 の3種類があり、ほとんどの動詞が規則的な活用をする。不規則動詞は、その多くが -ere動詞に属する。

時制

時制(tempo)は単純時制(tempo semplice)と複合時制(tempo composto)に分けられる。動詞の変化だけで表わされるものが単純時制、助動詞と動詞の変化で作られるものが複合時制となっている。

  • 単純時制 - 現在、未来、半過去、遠過去
  • 複合時制 - 近過去、先立未来、先立過去、大過去

叙法

叙法(modo)は定法(modo finito)と不定法(modo indefinito)があり、定法は「直説法」、「条件法」、「接続法」、「命令法」。 不定法は、「不定詞」、「分詞」、「ジェルンディオ」に分けられる。

時制と叙法の組み合わせの名称は以下のようになる。

叙法(modo) 定法 (modo finito) 不定法 (modo indefinito)
時制 (tempo) 直説法
(modo indicativo)
接続法
(modo congiuntivo)
条件法
(modo condizionale)
命令法
(modo imperativo)
不定詞
(modo infinito)
分詞
(modo participio)
ジェルンディオ
(modo gerundio)
単純時制
(tempo semplice)
現在
(presente)
直説法
現在
接続法
現在
条件法現在 命令法現在 不定詞
現在
現在分詞
(participio presente)
ジェルンディオ
現在
未来
(futuro semplice)
直説法単純未来 - - 命令法未来 - - -
半過去
(imperfetto)
直説法
半過去
接続法
半過去
- - - - -
遠過去
(passato remoto)
直説法
遠過去
- - - - - -
複合時制
(tempo composto)
近過去
(passato prossimo)
直説法
近過去
接続法
過去
条件法
過去
- 不定詞
過去
過去分詞
(participio passato)
ジェルンディオ
過去
先立未来
(futuro anteriore)
直説法
先立未来
- - - - - -
先立過去
(trapassato remoto)
直説法
先立過去
- - - - - -
大過去
(trapassato prossimo)
直説法
大過去
接続法
大過去
- - - - -

-are動詞の活用

-are動詞においては、原則として語幹は不変で(例外については後述する)、規則的に語尾を変化させる。ここでは、「愛する」という意味の -are 動詞 amareを使って例を示しておこう。なお、ラテン語の完了幹は、現代イタリア語では半過去形(imperfetto;未完了形)として用いられているので、注意を要する。

単純時制(tempo semplice)
時制(tempo) 現在(presente) 未来(futuro) 半過去(imperfetto) 遠過去(passato remoto)
叙法(modo) 直説法(modo indicativo) 接続法(modo congiuntivo) 命令法(modo imperativo) 条件法(modo condizionale) 直説法(modo indicativo) 直説法(modo indicativo) 接続法(modo congiuntivo) 直説法(modo indicativo)
1人称単数(io) -o (amo) -i (ami) - -erei (amerei) -ero (amero) -avo (amavo) -assi (amassi) -ai (amai)
2人称単数(tu) -i (ami) -i (ami) -a (ama) -eresti (ameresti) -erai (amerai) -avi (amavi) -assi (amassi) -asti (amasti)
3人称単数(lui/lei) -a (ama) -i (ami) -i (ami) -erebbe (amerebbe) -era (amera) -ava (amava) -asse (amasse) -o (amo)
1人称複数(noi) -iamo (amiamo) -iamo (amiamo) -iamo (amiamo) -eremmo (ameremmo) -eremo (ameremo) -avamo (amavamo) -assimo (amassimo) -ammo (amammo)
2人称複数(voi) -ate (amate) -iate (amiate) -ate (amate) -ereste (amereste) -erete (amerete) -avate (amavate) -aste (amaste) -aste (amaste)
3人称複数(loro) -ano (amano) -ino (amino) -ino (amino) -erebbero (amerebbero) -eranno (ameranno) -avano (amavano) -assero (amassero) -arono (amarono)


語幹がiで終わる場合には、あとにi・eが来る場合にiが約まって脱落する。例として「食べる」という意味の -are 動詞 mangiareを使って例を示す。

-are 単数 複数
1人称 -o (mangio) -iamo (mangiamo)
2人称 -i (mangi) -ate (mangiate)
3人称 -a (mangia) -ano (mangiano)
  • Io mangio. (または単にMangio) - 私は食べる。私は食べている。(日本語や英語と異なり、他の多くのヨーロッパの言語と同様に現在時制には進行中の意味が含まれる。)
  • Antonio mangia. - アントニオは食べる。(食べている。)
  • Antonio mangia? - アントニオは食べますか?(食べていますか?)
  • Mangia Antonio?? - 同上 (アントニオがどうするかについて質問している。)

複合時制(tempo composto)
時制(tempo) 近過去(passato prossimo) 先立未来(futuro anteriore) 先立過去(trapassato prossimo) 大過去(trapassato remoto)
叙法(modo) 直説法(modo indicativo) 接続法(modo congiuntivo) 命令法(modo imperativo) 条件法(modo condizionale) 直説法(modo indicativo) 直説法(modo indicativo) 接続法(modo congiuntivo) 直説法(modo indicativo)
1人称単数(io) ho -ato abbia -ato - avrei -ato avro -ato avevo -ato avessi -ato ebbi -ato
2人称単数(tu) hai -ato abbia -ato - avresti -ato avrai -ato avevi -ato avessi -ato avesti -ato
3人称単数(lui/lei) ha -ato abbia -ato - avrebbe -ato avra -ato aveva -ato avesse -ato ebbe -ato
1人称複数(noi) abbiamo -ato abbiamo -ato - avremmo -ato avremo -ato avevamo -ato avessimo -ato avemmo -ato
2人称複数(voi) avete -ato abbiate -ato - avreste -ato avrete -ato avevate -ato aveste -ato aveste -ato
3人称複数(loro) hanno -ato abbiano -ato - avrebbero -ato avranno -ato avevano -ato avessero -ato ebbero -ato

-ere動詞の活用

-ere 単数 複数
1人称 -o (leggo) -iamo (leggiamo)
2人称 -i (leggi) -ete (leggete)
3人称 -e (mlegge) -ono (leggono)
  • Leggono i libri. - 彼等が本を読む。
  • Leggo il giornale. - 私は新聞を読みます。

-ire動詞の活用

-ire動詞は通常の活用をするものと、-isco型の活用をするものがある。この違いは、語幹の最後の子音が一つのものが -isco型であることが多い。

-ire 単数 複数
1人称 -o (parto) -iamo (partiamo)
2人称 -i (parti) -ite (partite)
3人称 -e (parte) -ono (partono)
  • Partite.
  • Parti.
  • Partono.
-ire 単数 複数
1人称 -isco (capisco) -iamo (capiamo)
2人称 -isci (capisci) -ite (capite)
3人称 -isce (capisce) -ono (capscono)

essereの活用

essereは、ラテン語の sum、フランス語の etre、ドイツ語の sein、英語の be、ポルトガル語のser などに相当する動詞である。「ある」を意味するほか、複合時制や受動態の助動詞として使われる。sum, esse, fui と活用したラテン語の名残を感じることができるだろう。

単純時制(tempo semplice)
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時制(tempo) 現在(presente) 未来(futuro) 半過去(imperfetto) 遠過去(passato remoto)
叙法(modo) 直説法(modo indicativo) 接続法(modo congiuntivo) 命令法(modo imperativo) 条件法(modo condizionale) 直説法(modo indicativo) 直説法(modo indicativo) 接続法(modo congiuntivo) 直説法(modo indicativo)
1人称単数(io) sono sia - sarei saro ero fossi fui
2人称単数(tu) sei sia sii saresti sarai eri fossi fosti
3人称単数(lui/lei) e sia sia sarebbe sara era fosse fu
1人称複数(noi) siamo siamo siamo saremmo saremo eravamo fossimo fummo
2人称複数(voi) siete siate siate sareste sarete eravate foste foste
3人称複数(loro) sono siano siano sarebbero saranno erano fossero furono
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複合時制(tempo composto)
時制(tempo) 近過去(passato prossimo) 先立未来(futuro anteriore) 大過去(trapassato prossimo) 先立過去(trapassato remoto)
叙法(modo) 直説法(modo indicativo) 接続法(modo congiuntivo) 命令法(modo imperativo) 条件法(modo condizionale) 直説法(modo indicativo) 直説法(modo indicativo) 接続法(modo congiuntivo) 直説法(modo indicativo)
1人称単数(io) sono stato sia stato - sarei stato saro stato ero stato fossi stato fui stato
2人称単数(tu) sei stato sia stato - saresti stato sarai stato eri stato fossi stato fosti stato
3人称単数(lui) e stato sia stato - sarebbe stato sara stato era stato fosse stato fu stato
1人称複数(noi) siamo stati siamo stati - saremmo stati saremo stati eravamo stati fossimo stati fummo stati
2人称複数(voi) siete stati siate siati - sareste stati sarete stati eravate stati foste stati foste stati
3人称複数(loro) sono stati siano stati - sarebbero stati saranno stati erano stati fossero stati furono stati

上の表に示したのは男性の場合で、女性の場合にはstatostataと、statistateとなる。

avereの活用

avereは、フランス語の avoir、ドイツ語の haben、英語の have、ポルトガル語のhaverなどに相当する動詞である。本動詞として「もつ」を意味するほか、複合時制の助動詞として使われる。

]

単純時制(tempo semplice)
時制(tempo) 現在(presente) 未来(futuro) 半過去(imperfetto) 遠過去(passato remoto)
叙法(modo) 直説法(modo indicativo) 接続法(modo congiuntivo) 命令法(modo imperativo) 条件法(modo condizionale) 直説法(modo indicativo) 直説法(modo indicativo) 接続法(modo congiuntivo) 直説法(modo indicativo)
1人称単数(io) ho abbia - avrei avro avevo avessi ebbi
2人称単数(tu) hai abbia abbi avresti avrai avevi avessi avesti
3人称単数(lui/lei) ha abbia abbia avrebbe avra aveva avesse ebbe
1人称複数(noi) abbiamo abbiamo abbiamo avremmo avremo avevamo avessimo avemmo
2人称複数(voi) avete abbiate abbiate avreste avrete avevate aveste aveste
3人称複数(loro) hanno abbiano abbiano avrebbero avranno avevano avessero ebbero

複合時制(tempo composto)
時制(tempo) 近過去(passato prossimo) 先立未来(futuro anteriore) 大過去(trapassato prossimo) 先立過去(trapassato remoto)
叙法(modo) 直説法(modo indicativo) 接続法(modo congiuntivo) 命令法(modo imperativo) 条件法(modo condizionale) 直説法(modo indicativo) 直説法(modo indicativo) 接続法(modo congiuntivo) 直説法(modo indicativo)
1人称単数(io) ho avuto abbia avuto - avrei avuto avro avuto avevo avuto avessi avuto ebbi avuto
2人称単数(tu) hai avuto abbia avuto - avresti avuto avrai avuto avevi avuto avessi avuto avesti avuto
3人称単数(lui/lei) ha avuto abbia avuto - avrebbe avuto avra avuto aveva avuto avesse avuto ebbe avuto
1人称複数(noi) abbiamo avuto abbiamo avuto - avremmo avuto avremo avuto avevamo avuto avessimo avuto avemmo avuto
2人称複数(voi) avete avuto abbiate avuto - avreste avuto avrete avuto avevate avuto aveste avuto aveste avuto
3人称複数(loro) hanno avuto abbiano avuto - avrebbero avuto avranno avuto avevano avuto avessero avuto ebbero avuto

形容詞

イタリア語の形容詞(aggettivo)は形容する名詞の性・数によって語尾変化する。形容詞は名詞の前後どちらにもつけられるが形容詞の種類・用法などにより基本的な位置がある。

一般的な変化は以下の通り。

単数 複数
男性 女性 男性 女性
-oで終わる形容詞 -o -a -i -e
-eで終わる形容詞 -e -e -i -i

 

所有形容詞

所有形容詞(aggettivo possessivo)は、誰のものかを示す形容詞である。通常の形容詞と同じく形容する名詞の性・数によって語形変化する。所有者の性には影響されない。

単数 複数
男性 女性 男性 女性
1人称単数 mio mia miei mie
2人称単数 tuo tua tuoi tue
3人称単数 suo sua suoi sue
1人称複数 nostro nostra nostri nostre
2人称複数 vostro vostra vostri vostre
3人称複数 loro loro loro loro

所有形容詞は意味を限定する形容詞のため定冠詞を伴う。父、母など親族の場合は定冠詞が付かないが例外がある。

指示形容詞

指示形容詞にはquesto(この)、quello(あの、その)などがある。 形容する名詞の性数に従って形容詞と同様の語尾変化をする。

冠詞

冠詞(articolo)には不定冠詞と定冠詞の他、前置詞diと定冠詞が結合した部分冠詞、前置詞と定冠詞が結合した冠詞前置詞がある。冠詞は名詞の前に付き、形容詞があればさらにその前に置かれる。(不定形容詞を除く。) 不定冠詞、定冠詞はアクセントが無いため後ろに続く語と一体となって発音される。

 

不定冠詞

不定冠詞(articolo indeterminativo)は特定でない一つのものを示すが、使い方により特別な意味を持つことがある。名詞の性による語形変化がある。

続く語の語頭 男性 女性
母音 un un' (母音の省略)
z, gn, pn, ps, x, s+子音, 半母音 uno una
その他 un una


定冠詞

定冠詞(articolo determinativo)は、名詞の意味する範囲を話者が限定していることを示す。そのため「すべての何々」というような意味になる場合もある。名詞の性や数による語形変化がある。

続く語の語頭 単数 複数
男性 女性 男性 女性
母音 l' la gli le
z, gn, pn, ps, x, s+子音, 半母音 lo la gli le
その他 il la i le

前置詞

前置詞(preposizione)には、代表的な物で a(~に), con(~と), da(~から), di(~の), in(~で), per(~へ), su(~上で)などがある(各語の訳は代表的な使用法)。

また代表的な前置詞には以下のような冠詞との結合形が存在する。

il lo la i gli le
di del dello della dei degli delle
a al allo alla ai agli alle
da dal dallo dalla dai dagli dalle
in nel nello nella nei negli nelle
con col (collo) (colla) coi (cogli) (colle)
su sul sullo sulla sui sugli sulle
per (pel) (pei)

副詞

副詞(avverbio)は動詞や形容詞を修飾する。 性や数では変化しない。

形容詞の語尾に-menteをつけて副詞を作ることができる。最後の子音がl, r のときは母音を除き、その他の子音のときは女性形に -mente をつける。

  • veloce(早い) + mente = velocemente(早く)

また比較級と最上級をもつ副詞がある。

原形 比較級 最上級 対応する形容詞
bene (良く) meglio benissimo, ottimamente buono
male (悪く) peggio malissiomo, pessimamente alla
molto (多く) piu moltissimo molto
poco (少なく) meno pochissimo, minimamente poco
grandemente (大きく) maggiormente massimamente, sommamente grande

統語法

基本的な事項のみを示す。

  • (主語)+(補語人称代名詞)+ 動詞+(補語)のような語順が基本である。ただし語順は比較的自由で、芸術の分野ではかなり大胆な語順の変更を用いる場合がある。イタリア語は動詞の人称変化や単語の品詞が明確なため、ある程度の語順の変更は意味に曖昧さを生じない。
  • 強調のためにあえて語順が変更されることがある。たとえば主語を最後にすることで動作主を強調する。(例:Faccio io. 私がする。)
  • 否定文は動詞の前に副詞 non をおく。補語人称代名詞があればさらにその前に置かれる。否定の意味を含む代名詞が文頭に来る場合 non は省略される。
  • 疑問文は平叙文の語順のままで文の終わりのイントネーションを揚げることで表現される。
  • 疑問詞は、一般に文頭におかれ、文の終わりのイントネーションを揚げる。(Quanti anni ha? 何歳ですか? )
  • 代名詞を主語とする文では主語は省略されやすい。(例:Sei bella. 君はきれいだね。)
  • 間接補語人称代名詞は、直接補語人称代名詞に先立つ。(例:Me lo hanno regalato. [彼らが]私に(me)それを(lo)くれました。)
  • 不定法や命令法では、しばしば補語代名詞等が語末に融合する。(例:Non posso farlo. [私は]そんなことはできない。)

基本単語

<動詞は現在一人称単数をあげておく>

  • 赤 rosso
  • 青 azzurro,blu
  • 黄 giallo
  • 緑 verde
  • 白 bianco
  • 黒 nero
  • 上 sopra
  • 下 sotto
  • 右 destra
  • 左 sinistra
  • 前 davanti
  • 後 dietro
  • 眠る dormire(dormo)
  • 話す parlare(parlo)
  • 飲む bere(bevo)
  • 歩く camminare(cammino)
  • 見る vedere(vedo)
  • 感じる sentire(sento)
  • 可能である potere(posso)
  • 義務である dovere(devo)

日本語との関係

イタリア語から日本語

イタリア語から日本語の外来語に転じた語。ただし音楽、食べ物の単語は除く(食べ物はイタリア料理参照)。

  • インフルエンザ(influenza)
  • カジノ(casino) - 元々は小屋の意味。フランス語を通じて。
  • ゲットー(ghetto) - 元々はヴェネツィアの地名。イタリア語での発音はゲット。
  • ゼロ(zero) - アラビア語からイタリア語で現在の形に。英語を通じて。
  • ソロ(solo) - 音楽用語を通じて、グループ活動に対して一人の意。
  • テンポ(tempo) - 音楽用語を通じて、時間の進み方の意味だけ。
  • チャオ(ciao) - イタリア語ではくだけた関係での挨拶で、出合いと別れの両方に使用するが、日本語では別れる時に使用するのが一般的。
  • トトカルチョ(totocalcio) - イタリア語の「サッカーくじ」が転じて闇賭け試合
  • ファッショ(fascio) - ファシズムの人
  • ブラボー(bravo) - イタリア語での発音はブラーヴォ。フランス語を介したため、アクセントが語尾に移った。また、イタリア語では声をかける対象の性数により変化するが、日本語では一般的でない。日本語では感嘆を表わす時のみに使用する。
  • プリマ・ドンナ(prima donna) - 演劇など(特にオペラ)で主役の女性。イタリア語では大統領夫人などにも使用される。
  • マフィア(mafia)
  • マニフェスト(manifesto) - 英語を通じて

また、建物名や車の名前には多くイタリア語の単語が使用されている。

日本語からイタリア語

イタリア語における外来語は徐々にイタリア語風の綴りになる傾向があり、日本語からの外来語も例外ではない。括弧内は語源

  • cachi、kaki() - 外来語とは知らずに単数形をcacoだと思っている人がかなり居る。
  • chimono、kimono(着物) - 柿とは逆に複数形がkimoniに変化する。
  • kamikaze(神風) - 神風特攻隊の略称「神風」が転じて「自爆テロ」を指す。
  • manga(漫画) - 日本風の漫画(fumetto giapponese)に限定して使用する。その他の漫画はfumettoを使用する。
  • shiatsu、shazu(指圧)
  • tatami() - tatamoという単数形が出来つつある。

イタリア語の日本語表記時の表記の揺れ

近年、イタリアへの注目が高まるにつれてイタリアの人名、地名やイタリア料理などでイタリア語を日本語表記する機会が多くなってきている。イタリア語と日本語は、発音の項で述べたように比較的対応がとれているためカタカナ表記の際に揺れが生じにくいとはいえ、表記の揺れは発生している。このような語は一般的に定着していない語が多い。また、複数の揺れが複合して多数の表記の揺れを持つ単語も多い。検索エンジンでの対応も、イタリア語の外来語には対応していないことが多く、旅行などで調べたい場合に難しくさせている。以下ではイタリア語特有の表記の揺れを示した。外国語の日本語表記も参照の事。

アクセント

イタリア語では母音の長短で単語を区別しないが、アクセントのある母音が長く聞こえる事が多い。そこで、日本語で表記する場合に長音記号「ー」を入 れてアクセントを示すことがある。ミラノやトリノなど活字による記述が一般的だった頃によく知られた地名などは入れないことが多い。これについては一個人 の使用に限定しても揺れが大きい事が多い。

  • 例:Napoli → ナーポリ、ナポリ

希にアクセントに「ッ」を付加して表わすことがある。

  • 例:Rucola →ルッコラ、ルーコラ

イタリア語のアクセントの大多数は語の後ろから2つ目の母音になるため、別の場所にある単語において誤って後ろから2つ目のアクセントにする場合がある。

  • 例:Cesare(人名) → チェーザレ(正)がチェザーレ(誤)

半母音と拗音

イタリア語には半母音と母音を表記上区別しないため、カタカナ化する場合も区別しない場合が多い。

  • 例:Chianti → キアンティ、キャンティ

二重子音

二重子音は日本語の促音に似ているため「ッ」で表現されることが多いが、カタカナ化する場合省略されることがある。rr、llに多い。また、「ッ」 をつけないほうが元の発音やリズムに近い場合は意識的に省略することがある。この場合は日本語の発音の地方差や個人差などの関係で揺れが生じやすい。

  • 例:Dolce & Gabbana → ドルチェ&ガッバーナ、ドルチェ&ガバーナ
  • 例:cappuccino → カップッチーノ、カプチーノ

また、長音で表記されることもある。

  • 例:Azzurri → アッズッリ、アズーリ

-rr- や -ll- はラ行のカナを続けることがある。

  • 例:Carra → カルラ
  • 例:Botticelli → ボッティチェルリ

gn

gnは[?]の発音であるが、例えば[?a]は「ニャ」や「ンニャ」や「ニア」と揺れる。

  • 例:Bologna → ボローニャ、ボロンニャ、ボローニア

vとヴ

日本語にはvの発音は存在しないが、表記上は存在する。このためヴァ行で記述できる場合もバ行で記述される場合がある。

  • 例:Verona → ヴェローナ、ベローナ

s

イタリア語ではsの発音は清音と濁音の両方を現すが、ローマ字表記や英語では清音であるサ行になるため誤解による表記の揺れが存在する。またイタリ ア語において清音濁音の区別が意味をもっていないため、イタリア語話者の発音にも揺れが有り、そのため日本語での表記の揺れの修正がなされない。

  • 例:Assisi → アッシジ、アッシシ

またsiはsciとの対立から「スィ」や「ズィ」と表記されることもある。これはイタリア語学習書に多い。

  • 例:Siena → シエナ、スィエナ

z

zの状況はもっとも悲惨である。清濁はsの状況と同じであるが、イタリア語において清音濁音はsよりも規則性がなくわかりにくい(固有名詞はイタリア語話者でもわからない)。またzはローマ字表記ではザ行を表わす為、ザ行にされる場合が多い。

  • 例:Monza → モンツァ、モンザ

ツァ行の発音も標準日本語では少ないので、チャ行で代用される。

  • 例:Venezia → ヴェネーツィア、ベネア。
  • 例:Firenze → フィレンツェ、フィレンチェ

gli

gliを[?i]と発音するものは、日本語表記において「リ」とされる場合と「ッリ」とされる場合がある。

  • 例:Puglia → プーリア、プッリア

sci

sciの発音も、日本語表記において「シ(ア)」とされる場合と「ッシ(ャ)」とされる場合がある。

  • 例:Brescia → ブレシア、ブレッシア
  • 例:Fascio → ファショ、ファッショ

t

tは母音が従わない場合「ト」で表わすのが一般的であるが、「トゥ」で表わすこともある

  • 例:trulli → トルッリ、トゥルッリ

英語の影響

外来語と言えば英語が大多数のため、イタリア語をカタカナ化する時にも英語での法則を利用してしまう。

  • 英語と綴りが同じため。
  • アイスティーなどとの語尾の類似
    • 例:spaghetti → スパゲティー
  • 英語が似ている。

他にもduを「デュ」としてしまったり、caを「キャ」としてしまったりすることがある。

単数形と複数形

イタリア語では、単数形を複数形に変化させる場合、語尾の母音を変化させるためどちらを採用したかで表記の揺れが発生する。

語の響き

ブランド名や商品名などをカタカナ化する場合、日本語の響きとして販売者などの意にそぐわない場合がある。

  • 例:Versace、De Cecco。

方言

イタリア語の方言は多種多様なため、郷土料理などで同じ綴りでも方言読みと標準イタリア語読みの違う物が出てくる。

形容詞形と名詞形

これは表記の揺れというより、城や山など一部を日本語にする場合の翻訳の揺れである。 イタリア語には形容詞形が存在する名詞があるが、形容詞を名詞に戻してカタカナ化し城などを付けるのが一般的だが、名詞形がわからず形容詞形のままカタカ ナ化し城などを付けることがある。

  • 例: castel sforzesco → スフォルツァ城、スフォルツェスコ城

検定試験

日本における検定試験は、イタリア語検定協会が実施している、実用イタリア語検定が年に二回行われている。また、シエナ外国人大学が主催するCILSと言われるイタリア語検定試験も年に二回行われている。

関連項目

 

 

 

 

トライアルレッス - レッスン料金表 - システム解説 -よくある質問